①PRP:Platelet-Rich Plasma
(多血小板血漿 たけっしょうばんけっしょう)とは?
身体の中を流れる「血液」は、赤血球、白血球、血小板の細胞成分(血球)と、血漿と呼ばれる液体部分から成り立っています。
PRPは「血小板を多く含む部分だけを血液から抽出したもの」のことです。
例えば、皮膚を切って出血しても、多くの場合は自然に血が止まり、皮膚も綺麗に治ります。これは、血小板がその場所に集まって血を固めたり、成長因子を放出して傷を修復する働きによるものです。他にも成長因子には炎症を抑える働きや、骨や血管を作るために欠かせないコラーゲンの産生を行う細胞を増やす働きもあります。
これらの効果が期待されるため、直接関節の傷ついた部分に PRP を投与する治療方法をPRP療法といいます。
痛みの改善や軟骨保護効果も期待できる上に、ご自身の血液成分を使用するので、アレルギー反応や感染などの副作用が少ないことが特徴です。
②PRP 療法の流れ
1:膝の痛み 膝の痛みがあり保存療法を行っている方が対象です。
2:受診・カウンセリング
現在の状態、過去の治療歴等と検査データを総合的に判断し、適応される方には PRP 療法内容と注意点のご説明をします。
※PRP療法を安全に行うための適応基準があります。満たしていない場合、治療を受けられないことがあります。
3:採血 100mlの採血を行い、PRPを製造します。
※採血の前日~当日は脂っぽい食事は避けてください。
4:委託業者がPRPを製造
採血後は細胞加工業者に輸送し、3週間後以降に投与可能となります。
※1回の採血で複数回数分のPRPを製造するので、患者様の負担を最小限に抑えることが可能です。(最大6カ月間保存可能)
※無菌試験を実施しているので、安全性も保たれます。
5:PRP投与1回目
採血から3週間後以降に再度ご来院いただき投与します。
※PRP投与時、注射針挿入による強い痛みを伴うことがあります。
※注射後3~4日間は細胞の活発な代謝が生じ、穿刺部周囲に痛み・腫れ・発赤を伴うことがありますが、徐々に軽減されていきます。
※当日は入浴や飲酒、喫煙、激しい運動やマッサージは控えて下さい。
6:PRP投与2回目以降
1 回目の投与から 2 ~ 4 週間後に 2 回目以降の投与を行います。
ご自身のタイミングで投与することができます。
7:痛みの軽減
投与後は経過観察をさせていただきます。
※治療の効果や持続時間には 個人差があります。
※ PRP 療法は複数回投与することも可能です。
③注意・費用
1. 痛み
PRP を注射した後は、個人差はあるものの一時的に炎症が起きるので、痛みや腫れ、赤みなどの症状が出ますが、徐々に軽減されます。
痛みにより関節を動かさないと逆効果になります。治療後にはリハビリテーションが必要です。
2. 治療当日
治療当日は、入浴や飲酒、喫煙、激しい運動やマッサージは控えてください。
3. 感染・アレルギー
関節は細菌による感染に弱いため、治療後は清潔に保つようにしてください。
ご自身の血液成分を使用するので、アレルギー反応の副作用が少ないです。
4. 費用
PRP療法は保険が適用されないので自由診療で取り扱われる治療法です。
全額自己負担となります。
自費治療:15万円 税別
採血および注射計3回分含
④Q&A
Q:他の治療法との違いは何ですか?
A:PRP療法以外にも、以下のような治療があります。
● ステロイド剤を用いた治療
抗炎症作用を期待してステロイド剤を投与しますが、頻回に行うと関節症状を悪化させる場合があります。
● ヒアルロン酸を用いた治療
ヒアルロン酸のクッションのような働きには痛みを和らげる効果がありますが、効果は短期間であり反復治療が必要です。
PRP 療法と上記治療の違いは抗炎症作用が高い、PRP 療法は関節内の状態を改善できる可能性(軟骨保護・修復)があることです。
薬剤の一時的な効果よりも長期的な改善ができると考えられます。
Q:誰でも受けられますか?
A:20歳以上の方なら対象となります。しかし、以下の方は除外となります。
・癌と診断された方。癌の治療中の方
・活動性の炎症を有する方(関節リウマチなど)
・その他、担当医が不適当と判断した方
Q:高齢でも大丈夫ですか?
A:高齢であっても身体への負担が少ない治療法であるため、治療を受け
ることが可能です。
⑤こんな方にオススメです!
期待される効果
PRP(多血小板血漿)には成長因子が豊富に含まれています。
注射した部分の痛みが軽減される効果が期待できます。
1.痛みをとりたい!
PRP 療法は膝を切開したり、入院せずに治療できるため、高齢者や手術が難しいといわれた方でも対象となります。日常生活を送りながら通院で治療を受けることができます。
2.今の治療で効果がみられない。昔から痛みがあって辛い。
PRP療法は、自分自身の治癒能力を引き出す治療法なのでヒアルロン酸注射などで効果のなかった方にも PRP を関節に注射することで痛みの改善があったことが確認されています。 ※効果には個人差があります。
3.新しい治療を試してみたい!
当院が使用する PRP に含まれる血小板の数は、血液の10~20倍濃縮になっており、一般的な調製方法と比べ高い濃縮率で血小板を多く含むため成長因子が豊富であり、修復能力や炎症を抑える効果も高くなると考えられます。
過度の安静によって足を支えている太ももやふくらはぎの筋肉が衰えると、膝関節への負担が大きくなり痛みの増強の悪循環となります。
PRP療法によって膝の痛みの軽減、不安の軽減、活動意欲が湧くことでQOLの向上とADLの改善に繋がると考えられます。
QOL(Quality of Life):生活の質
ADL(Activities of Daily Living):日常生活動作
医院名 | 原整形外科医院 |
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院長 | 原 貞夫 |
副院長 | 原 正道 |
住所 | 〒232-0067 神奈川県横浜市南区弘明寺町268 |
診療科目 | 整形外科・リハビリテーション科・内科(呼吸器内科) |
電話番号 | 045-714-0037 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・祝 | |
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午前 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ○ | ー |
午後 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | 〇 | ー | ー |
【受付時間】
午前8:30~11:30
午後14:00~18:30
木曜・土曜は午前のみ
【休診日】
第5木曜日、
日曜、祝日休診
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午後 | 〇 | 〇 | 〇 | ー | 〇 | ― | ー |
午前8:30~13:00
午後14:00~19:00
木曜・土曜は午前のみ
※8:30~9:00、14:00~15:00は物理療法のみとなります。
【最寄駅】
上記の地図をご参照下さい。